あいちゃんずでいず

あいちゃんとゆかいな仲間たち(男子も既婚者もいます)婚活、お見合い、恋愛に役立つブログを更新していきますね。真面目なお話からくだらないお話まで付き合ってください。

医者の視線をすべて奪った女


女のしたたかさを目の当たりにするこんな合コンがあった。それは大金持ちの医者との合コン。「私って、外食ばかりでしょ。よかったら家で鍋パーティーとかしない?」そんな誘いを受け、出かけていったアットホーム合コン。訪れる先のTくんの家は高級住宅街。駅からは少し離れているというので、女性陣を私の車に乗せて向かった。到着したTくん宅を一目見て、驚いた。ポカーンと口を開けて見上げてしまうほどの大豪邸。一緒に車に乗っていたKちゃんとSちゃんも一気にテンションが上がった様子。「私!すごいね!門から玄関まで100メートルはあるよ。この敷地、全部Tくんちってことだよね?」「ホント日本庭園みたい。しかもベンツばっかり6台も止まってるよ。私、ラフな格好で来ちゃってなんだか場違いかも」すると玄関からTくんが登場。「私、いらっしゃい。男はみんな着いてるよ。車はこの駐車場に入れてね……っていうか、これ何の車?」私の車はボロボロのBMW。しかも高校教師をしていた頃に、学校でBMWのマークを前後とも盗まれたという悲惨な状態だ。「あっ、マークのないBMWなの……」と答える私に、Tくんは憐れみの視線を向け、家へ迎え入れてくれた。「おじゃまします!」玄関に入ると金持ちの家の象徴、らせん階段。そして部屋、部屋、部屋……。「Tくん、この家って何部屋あるの?」すかさず聞くKちゃん。「30ちょっとかな。鍋する部屋はこっちだから迷わないようについて来てね」Tくんの先導でキョロキョロしながらついていく女性陣。すると、とってもいい匂いが漂う部屋に到着。「はじめまして。Tと同じ病院で働いているAです」「同じくMです。もうお腹がすく頃だろうと思って、作って待ってました」いしだ壱成似のAくんと、堤真一似のMくん。こんな男前の医者がいたなんて……とニヤける私。鼻の下を伸ばしながら隣を見ると、これまた最高の笑顔を見せるKちゃんとSちゃん。「私、みんなに取り分けるのが好きだから、鍋に近い席に行くね!」アピール全開のKちゃん。男性陣が感心する。「優しいんだね、Kちゃんは。料理とかするタイプなの?」「はい。趣味が料理なもので」満面の笑みで答える、Kちゃん。大嘘つき。「いいね!料理ができる女の子って。何が得意?」「煮込み系かな。肉じゃがとか……」出た!肉じゃが。肉じゃがが得意って言う女って、怪しいんだよなあ……と心の中で思いつつ、Kちゃんの取り分けてくれた料理を食する担当は私。するとKちゃん、おもむろに立ち上がり、「あっ、忘れてた!私デザートにケーキ買ってきたの。冷蔵庫借りてもいい?」い、いつのまに……。顔を見合わすSちゃんと私。そして台所からKちゃんの声。「ねえ、Tくん。今日って、ご両親は?」「この家はいま僕らだけだよ。両親は、病院の近くの方の家に住んでいるんだ」「お父様もお医者様なんですか?」やっと話せたSちゃん。「うん、ボクたち3人とも親と同じ職業に就いちゃったんだよね」情けなさそうに顔を見合わす男性陣。そんな男たちとは裏腹に、ますます目が輝き出すKちゃん。その時、誰かの携帯の着信音が鳴った。「あっ、オレだわ」席を立つMくん。そして携帯チェックしている彼に近づくKちゃん。「ねえねえ、携帯見せて。あっ、ドコモだ。私も同じ!赤外線送信とかしてる?」「何それ?」「教えてあげる!すっごく簡単に連絡先を交換できるから便利だよ」Mくんの返事を聞かないままに2つの携帯を持ち、勝手に連絡先の交換を済ませるKちゃん。それが完了するなり、「AくんとTくんも交換しようよ」半ば強引に3人の連絡先を入手した。結局、この日はKちゃんのオンステージとなった。でもある意味面白かった。Sちゃんも、「お医者様とは、仲良くなれなかったけど、Kちゃんチェックで楽しめたね」なんて笑って言った。一般に、女のしたたかさに対し女の目は厳しい。合コンでKちゃんのような女が俄然張り切る場面に遭遇すると、あとで女の子同士の間では、「あのコ、やるよね。信じられない!嘘ばっかり」なんて陰口が飛び交うことになる。でも当の本人はそんなこと承知のうえなのだろう。だって、したたかさを見せたとしても、最終的に「いい男をケット」した者が勝ちなのだから。このKちゃんにしても、したたかさのために女友だちを何人かなくしている。半面、いい男も捕まえている。かなり数多くのセレブ男とデートを重ね、つき合うところまでは発展する。ただし、Kちゃんの場合、詰めが甘いのか、ボロが出るのかわからないが、たいてい3ヶ月くらいで破局を迎えている。でもこのままいけば、いつかKちゃんはセレブ婚にたどり着くだろう。そう思わせるほど、Kちゃんの目標はハッキリしているし、そのためだったら他人にどう思われようが関係ない一途さがある。女の強い願いというべきか、執念というべきか……。Kちゃんの一念は岩をも動かしかねない。その思いの強さはきっと、願いを叶えさせる気がするのだ。