あいちゃんずでいず

あいちゃんとゆかいな仲間たち(男子も既婚者もいます)婚活、お見合い、恋愛に役立つブログを更新していきますね。真面目なお話からくだらないお話まで付き合ってください。

ランチ婚活 失敗した

 


週末の午後、都内、恵比寿のスパニッシュレストランはやや遅めのランチをとるカップルでにぎわっていた。そこに一つだけ、明らかに雰囲気の異なるテーブルが用意されていた。ランチコースを食べながら婚活をするための予約席だ。そのテーブルは誰が見ても奇妙だ。4人掛けのテーブルが多い店内で一つだけが十人で、全員が同じ料理を食べている。さらに、せわしなく席替えをする。そこが集団お見合い的な何かであることをおそらくほかのすべての客は察していただろう。周囲からのさげすみの目線を浴びながら、それでも男女各5人、計10人の参加者は婚活トークを行った。、インターネットを通して申し込む、参加費の支払いもインターネットを通してクレジットカード決済、当日、レストランに集合、スタッフの指示に従いプロフィール用紙に、名前、年齢、職業、趣味……などを記入、参加者は2つのグループに分けられ、男女同数でグループトーク、男性が席を移動し、、とは違うメンバーでグループトーク、再び席替えをして食事をしながらグループトークこれが全体の流れだ。このランチ婚活への参加は、レストランに入った時から失敗したと思った。なにしろ会場は週末の恵比寿だ。レストランはものすごく込んでいる。その中にぽっかりと異質な広いテーブルがあれば、当然注目される。店内を埋めるふつうの客の中に知り合いがいないことだけを切に願った。参加者は皆同じ気持ちだったに違いない。続いてやってくる誰もが「えっ?‥」という表情を見せた。会食系の婚活は個室でない限り参加してはいけないことを学習した。なんと放置プレイ。婚活会社のスタッフは一名。20代後半の女性だ。よりによって、かなりかわいい。ランチ婚活に参加している5人の女性の誰よりも圧倒的にかわいい。しかも、若い。「彼女が参加者だったら、この悪条件でもテンションが上がるのに」心の中でつぶやく。自分以外の男性参加者もちらちらと彼女を見ている。このランチ婚活、当然、前半のグループトークから盛り上がらない。置かれている環境が恥ずかしいだけでなく、なかなか食事が出てこないため、空腹で血糖値が下がっていくのを感じる。昼過ぎのレストラン。周囲はみんな食事をしている。いい香りがただよっている。その中で、水だけしか与えられずに会話を続けるのはつらい。お腹が鳴るのを抑えることができない。グループトークを終えた後半の状況はさらにひどかった。ようやく目の前に食事が運ばれてくると、参加者全員が婚活よりも食欲を優先させた。しかも、なんと食事のスタートのタイミングで女性スタッフはその場を立ち去った。「では、私はここで失礼しますので、あとは皆さんご自由に会話を楽しんでください」えっ、帰っちゃうんですか!放置プレイですか?参加者全員驚きを隠せない。「十分くらいで席替えをして、参加者全員とまんべんなく会話を楽しんでくださいね。食事のお会計はすませてありますので」去り際にさらに付け加えて、参加者たちを唖然とさせた。食事の会計がすんでいるなんて当たり前だ。このランチ婚活の参加費は男女とも一人8000円。目の前に並ぶ料理はどう見積もっても一人2000円ほどだろう。「これからどうしますか?」残された十人が顔を見合わせる。置かれたシチュエーションはかなり恥ずかしい、会話は盛り上がらない、挙句の果てに放置された。自分たちがいる状況を笑うしかない。一人だけ、「かわいいなあ」「もう少しお話したいなあ」と思った女性がいたが、彼女はよりによって一番遠い席で食事をしている。「さすがにこれ以上席替えするのは、よくないですよね……。店の雰囲気を乱していますし」何気に確認をとると、そこにいる参加者一人残らず大きくうなずいた。実際に、ほかの客だけではなく、このテーブルはレストランのスタッフからも冷ややかな目で見られていた。「今日ここで体験したことは運命だと受け入れて、あとはふつうに食事をして解散しましょう」この意見には全員が賛成した。誰もがもはやこの場に長居したくなかったのだ。はじめに、でも書いた通り、2007年に「婚活」という言葉が生まれて以降結婚ビジネスが活発化し、この業界の企業が増えた。競争の原理によって劣悪な婚活パーティーは淘汰されていった。それでも時々このランチ婚活のような。欠陥商品々と出会うこともある。