あいちゃんずでいず

あいちゃんとゆかいな仲間たち(男子も既婚者もいます)婚活、お見合い、恋愛に役立つブログを更新していきますね。真面目なお話からくだらないお話まで付き合ってください。

タコ焼き婚活



満腹になった。満腹がいいのか、よくないのか。婚活のつもりで訪れたパーティーで、動くのもつらいほど満腹になった。参加したのはタコ焼き婚活パーティー。男性12人、女性12人、計204人で行う。このパーティーが盛況と聞いて、さっそく参加してみたのだ。パーティーは次のように進む。、ネットか電話で申し込む、参加費を銀行振り込みで支払う、当日、受付で写真付き身分証明書を提示、くじ引きでテーブルを決める。テーブルは全部で4つ。それぞれ男性3人女性3人計6人。パーティーは立食形式、テーブルの上にあるプレートでタコ焼きを焼き、それを食べながら、約30分間の会話を楽しむ。男性3人がテーブルを移動しながら、これを4回くり返す。テープルチェンジごとにタコ焼きの内容は変わる、最後に、気に入った相手と連絡先を交換する。この流れを読むと理解していただけると思うが、タコ焼き婚活パーティーとは、システマティックな合コンだ。そして、男女の関係をとりもつ媒介がタコ焼きなのである。タコ焼き婚活で成果が上がるかどうかは、おそらく受付直後のくじ引きに左右される。重要なのは、女性とのテーブルマッチングよりも男性との組み合わせだ。というのも、女性とはテーブルチェンジしながら全員と同じ時間会話をするルールだが、男性3人のチームは最初から最後まで不動だからだ。男性参加者同士が連携できるか、相性とチームワークが鍵だ。3時間立ちっぱなしで炭水化物を胃に詰め込むタコ焼き婚活には、平日の夜に参加した。場所は都内の雑居ビルの中にある会場だ。平日夜にもかかわらず、19時の開始時刻に定員204人全員が揃っていたことに驚いた。参加者のほとんどは仕事帰り。男性はスーツにネクタイ姿が主流だ。同じテーブルで一緒にタコ焼きを焼く自分以外の2人もスーツ姿の会社員。しかしこの2人、あまりにもタイプが違う。一人は営業職。社交的で常にニコニコというかニタニタ笑っている。靴底をすり減らして街を歩き回っている体育会系タイプだ。もう一人は寡黙な技術職。長身やせ形でややイケメン。テーブルチェンジをするたびに必ず「僕は一部上場企業に勤めています」と自己紹介した。この発言が女性に受けるのか、ある種の女性には受けるのか、そのあたりはよくわからない。しかし、パーティーの間で計4回聞かされたこちらはかなりしらける。最初のテーブルでタコ焼きを焼き始める。生地はすでに溶かれたものが用意されている。タコをはじめ食材もきれいにカットされている。参加者は生地をプレートに流し込み、タコを放り込んで、焼けてきたら均等に焦げ目がつくようにコロコロ転がせばいい。メンバーの顔触れを見た時から覚悟はしていたが、タコ焼きを焼くのはほぼ自分の役割だ。体育会系は少し手伝ってくれるが、女性との会話に必死だ。イケメンはほぼ手伝わない。ビールを片手に隣の女性に「大きな会社にいると、派閥の調整に気をつかいましてね」などと話している。それでいて、タコ焼きはしっかり食べる。「もう少し焦げ目がつくのを待ってから食べたほうがいいですよ」紳士面して女性にアドバイスをしている。「焼いてるのはオレなんだよ」喉まで出かかった言葉を飲み込む。「女性だってしっかり見てるんだよ、お前のそういう協調性のない態度」心の中で思うが、でも、女性はホに見てくれているのかな?不安だ。イケメンのセールストークをうっとりと聞いているかもしれない。このままでは、自分は完全にタコ焼き屋台のオヤジ状態である。しかも、その役割が妙に似合っていて悲しい。あっという間に30分が過ぎ2番目のテーブルへ。この時点ですでにお腹はいっぱいだ。タコ焼きは炭水化物の塊。胃が重い。しかし、2番目のテーブルでもタコ焼きプレートが待っていた。「はい、では次のテーブルでは、タコ焼きのタネをタコではなく、ウインナーでやってみましょう!」スタッフのアナウンスで、タコ焼きではなく。ウインナー焼きを焼く。タコ焼きプレートの穴に生地を流し、小指の先大にカットされたウインナーを放り込んでいく。確かに味は変わるが、生地は同じ。炭水化物の塊であることに変わりはない。2番目のテーブルでもやっぱり焼く係だ。働いていないと落ち着かない性質なのでしかたがない。焼肉屋に行っても焼く係だし、しゃぶしゃぶ屋に行っても灰汁を取り除く係なのだ。「僕の会社は一部上場で~」と、ここでもイケメンは自己紹介している。その様子を見て、体育会系がニタニタ笑っている。ウインナー焼きにはピザに使うチーズをまぶす。それが熱でとろりと溶けておいしいが、たくさんは食べられない。3番目のテーブルでは、タコ焼きプレートにケチャップライスを入れ、卵焼きをまぶし、丸いミニオムライスを作った。しかし、このあたりになると、満腹のためにおいしいのかどうかよくわからない。それでも、無理やり口に放り込む。目の前の女性が自己紹介の時に「好きなタイプは何でももりもりおいしそうに食べる男性です」と語ったからだ。これは女性に共通する意見だと思えた。それにしても、胃を休めたい。4番目のテーブルでは、タコ焼きプレートにホットケーキミックスを流し込み、中にドライフルーツを入れたデザートを焼いた。最後に生クリームをデコレートするのだが、もはや誰も食べることができない。満腹なのは自分だけではなかったようだ。タコ焼き婚活パーティーは楽しい。友人同士が集まってやるバーベキューが楽しいのと同じように、タコ焼きを焼いて食べながらの会話は盛り上がる。ただし、このイベントは若ければ若いほどアドバンテージがある。量を食べられるからだ。50代にもなると、2つ目のテーブルあたりからタコ焼きプレートから目をそらしたくなる。また、仕事をした後に3時間フルタイム立っているのもつらい。パーティーの最後に連絡先交換タイムがあるが、その時間帯には婚活よりも一刻も早く帰宅したい気持ちが勝った。情けない……。しばらくタコ焼きは見たくもない。