官公庁勤務の彼女③

で、結局どうすればいいのか
投資対象全員が極端なエリートであり、環境意識が高いという意味で、今回は非常に特殊性の強い投資となる。彼女たちも合コンをしないではないが、民間と実施する場合、たいていは自身の高学歴と肩書が災いしてしまい、相手の男性投資家に引かれてしまう。いきおい同業者と合コンを繰り返すことになるのだが、彼女たちは自身が官僚であるにも関わらず「官僚嫌い」であることが多い。特に官僚諸君が何事にも「等」を付けて言葉を曖昧にし、責任を回避する姿勢が大嫌いなのである。例えば、2000年５月に循環型社会形成推進基本法の個別法の１つとして制定されたグリーン購入法は、正確には「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」という。わずか23文字の法律に３文字の「等」が登場する、役所言葉を体現した冗談のような法律だ。「等」率13％である。官僚諸君は、合コンの際にも無意識にこうした言い回しになってしまうのだ。「飲み物等はどうしましょう？食前酒等にシェリー等の糖度の高い酒類等を注文等しますか？」これではダメだ。当然である。諸君の勝機はここにある。あらゆる言葉を断定的に言い給え。曖昧さを避けるために、「で」ではなく「が」を多用することも重要だ。「シャブリでいいや」ではなく「シャブリが飲みたい」と明確に伝え給え。彼女たちは、実は命令され、それに服従することに言いようのない快感を見いだす精神的マゾヒストが多い。料理の注文は相手の好みを考慮することなく、自分の食べたいものをガンガン注文し給え。服装や化粧、装飾品にいちいち注文を付けるのも有効な手段だ。そんな彼女たちも、冒頭の燃費問題から分かるように、環境に関しては一歩も譲らない。ここは彼女たちに敬意を表してエコロジストになった方が合理的である。何しろ省内にはエコが高じて、コメ農家に嫁いだキャリア女性すら実在するのである。５月の連休には田植えの手伝いに出かけ、収穫の時期には有給休暇を取るのだという。生半可な似非エコはすぐさま見破られることだろう。気合を入れてエコってほしい。燃費の悪いクルマはすぐに売却し、公共交通機関を利用し給え。どうしてもクルマが欲しければエコカーに乗り換え給え。この際、目先の燃費だけではなく、車両の製造にかかわる環境コストや、廃車時のリサイクル性まで研究する必要がある。現在そうした意味で世界最高のエコカーと言えるのは、ライン川沿いのラシュタットエ場で組み立てられた、メルセデスのＡクラスである。トヨタのプリウスは、バッテリーの廃棄を含めた環境負荷を勘案すると一概にエコカーとは言い難いので注意が必要だ。また、買い物は可能な限りエコマークの付いた商品を購入するよう心がけたい。スーパーや書店で包装を辞退することはいうまでもない。飲食店へ入っても店の割り箸は使用せずに、持参した塗り箸を使い給え。割り箸の多くは間伐材を利用しているので、森林資源には直接関係ないはずなのだが、エコの世界では不当に悪者扱いされている。ここでは意地を張らずに世の趨勢に従い給え。現在92法人ある環境省所管公益法人に所属するのも有効な手段だ。全国浄化槽団体連合会や全国産業廃棄物連合会は入会が難しいので、日本動物愛護協会や日本野鳥の会、或いは日本ウォーキング協会がいいだろう。エコをうたった怪しげな市民団体もあるので、入会の際には十分な吟味が必要だ。「気が付いたらプロ市民」などとならないように注意して頂きたい。いろいろと大変だが、それに見合う果実は間違いのないものだ。諸君の健闘を祈る。