あいちゃんずでいず

あいちゃんとゆかいな仲間たち(男子も既婚者もいます)婚活、お見合い、恋愛に役立つブログを更新していきますね。真面目なお話からくだらないお話まで付き合ってください。

官公庁勤務の彼女①



ドライブ
投資家諸君。ドライブはお好きだろうか?クルマの運転は楽しい。よく晴れた秋の早朝、ステレオを止めてタイヤをきしませながら飛ばす箱根のワインディングロードは快適である。助手席に美しくインテリジェンスの高い女性を乗せていれば、これはまた格別のドライブになる。私はその日、コルベットのステアリングを握っていた。天下御免のスポーツカーである。親しい友人が、1ヵ月ほどニューヨークに出張するにあたり、「エンジン回さないと腐っちゃうから」と私に預けていったものである。大きなボディーに似合わず、コルベットは実に俊敏なクルマだ。眺めの良い峠道をかなりの速度で走り抜けると、私は樹木に囲まれた湖畔の小さなオーベルジユにクルマを止めた。ここは食事がそこそこにうまく、昼からのワインで眠たくなってしまえば、そのまま上階の部屋にチェックインできるという、われわれ早期回収を旨とする投資家にとっては、まさに夢のような施設である。食前酒をなめながら、私は投資回収の第1段階に着手していた。「飛ばすのが好きなのね、私さん。でも安心して乗っていられたわ。あれは何ていうクルマなの?」「コルベットさ。アメ車は鈍重なイメージがあるけれど、あれだけは別物だ。本物のスポーツカーだね。もっとも、燃費だけはイメージ通りだけど」「燃費が悪いの……。リッターどれくらい走るのかしら?」彼女はクルマに興味があるようだ。そういえばクルマから降りるときも、愛おしげにコルベットのボディーをなで回していた。悪くない滑り出しだ。私は軽くジャブを入れて相手の反応を見ることにした。「そうだね。今日みたいに(アクセルペダルを)踏んで走ると、いいとこ4km。満タンで70リットルしか入らないから、今日はガス欠で帰れないかもしれないよ……」クサい。われながらクサいセリフだ。しかし投資家諸君。私は同じ手法で何回も短期の投下資本回収に成功している。プロの言動は伊達ではないのである。「ね、私さん。あなた環境負荷について考えたことある?」「カ、カンキョウフカ?」「そう。環境負荷。2人しか乗れない乗用車が、リッター4kmしか走らない。石油資源を無駄にしているわ。それにあのボディー、FRPでしょ?FRPはガラス繊維が粉砕処理の妨げになって、リサイクルがとても難しいの。私さん。もう少し環境に対する意識を高めて頂きたいわ」クルマヘの愛撫は、素材確認だったのだ。彼女は世間で「キャリア組」と呼ばれる、環境省に勤務する美しくインテリジェンスの高い女性である。並外れた知性と環境意識の高さを誇り、徹夜上等・3食コンビニ、地球環境に体を張る一方、自分の部屋は汚れ放題という不可解なダブルスタンダードを絶妙に住み分ける、本稿初の政府管掌銘柄である。